スキあり

パソコンであるHPをクリックしたら、突然“トロイの木馬に感染しました”という画面が現れた。

同時に大音量で、『トロイの木馬に感染しました。画面はそのままで、今すぐ下記に連絡してください。すべてのデータが消えてしまいます・・云々』

右上の×を押しても反応なし。画面下にはWindowsサポートセンターと050から始まる電話番号が表示されている。

“トロイの木馬って危険なウイルスのはず ”慌てた私は電話をかけてしまった!

5コールくらいで独特の日本語を話す女性が出てきた。

「なんでこんなことになったの?」と尋ねると

『お客様のパソコンにセキュリティ入ってないから』

「入ってるよ」

『Windowsには入っているけどインターネットには入っていない』

「うーん。入っているはず・・」と不安になる。

続けて『入ってたらトロイの木馬に感染しない』

「そうなの?あなたWindowsの人?ところで何人?」

『はい。私はインド人』

ここで電話を切るべきだったのに、使っているパソコンのサポートセンターも外国の人が対応してくれたことを思い出し、そのまま相手の言いなりに。

『遠隔操作で作業するので、エラーコードを教えてください』

『画面に出ているセキュリティアプリをすぐに購入してください』

すると35,000円(1年)、55,000円(3年)、90,000円(10年)と3種類の料金が表示された。
当然、55,000円と90,000円がお得だと推してくる。

「1年で。支払いは振込み?」

『いいえ、コンビニでGoogle Play Cardを買ってきてください。どれくらいかかる?』

「20分くらい」

『電話はそのままにしてカードを買ってきてください』

急かされて、コンビニでカードを購入した後で、おかしいと気づいた。

戻ってスキャン中の画面をキャンセルし、電話を切った。

念のためスマホで調べたら、有名な詐欺だとわかった。

すぐに電話がかかってきた。184から始まる番号で。

『どうしましたか』

「あなた詐欺でしょ」

『詐欺じゃないです』

「詐欺でしょ」

『・・』電話が切れた。

即座にコンビニに電話して、購入したカードの返金をお願いしたら

【それはできません。キャンセルできない商品なんで・・】

「今、買ったばかりで、詐欺に遭いかけたので何とかしてほしい・・・」

渋る店員。少し間を置いて【わかりました。じゃあ持ってきてください】

“店員さん、ありがとう!”

返金してもらった際に警察に届けてほしいと言われたので、早速、近くの警察署へ。

事の顛末を話し、184から始まる電話番号も伝えた。気をつけるよう注意を受けた。

未遂で済んだけど、まさか自分が詐欺に遭うとは・・・。

その夜、この体験を知人、友人に話したら心がスッキリした。
大きな音で慌てさせ、考える時間を与えることなく、お金と個人情報を盗もうとする卑劣な犯罪。

まずは冷静になること、誰かに相談することが大切だと痛感したGW直前の出来事でした。

その前に

「住宅ローンを完済したら銀行から書類が届きました。」

「相続で名義変更しようと思ったら、こんな書類が出てきました」

いずれも住宅ローンなどの担保であった抵当権や根抵当権を抹消するのに必要な書類です。

具体的には、金銭消費貸借契約証書、(根)抵当権設定契約証書、登記識別情報通知書、

登記済証、解除(弁済)証書、委任状などです。

ここで注意したいのは、ご本人の登記簿上の住所と現在の住所が同じかどうかです。

新築の時に融資を受けたため、抵当権の登記をした後に、新居に引っ越し。

役所への住所変更の手続きは済んでるけど、登記はそのままというパターンです。

この場合、抵当権の抹消の登記の前に必ず現住所への変更の登記が必要になります。

名義人が本人かどうかを確認するためです。

また、名義人が亡くなっている場合は、先に相続人に名義を変更しないといけません。

“たかが抹消、されど抹消”なんです。

抵当権を抹消する前の住所の変更登記には、登記簿の住所から現在の住所までのつながりがわかる書類が必要になります。一度だけ住所を変えている場合は、前住所が載っている住民票(※)で証明できるのですが、数回住所を変更している場合は、戸籍の附票や改製原附票が必要になり、本籍地の市町村役場に請求しないといけません。

来年4月から相続登記が義務化されることはご存じの方も多いと思いますが、

令和8年からは、この住所の変更登記も義務化される予定です。
引越し時には、住民票だけでなく、登記の変更も必要になります。

住宅ローンの完済時には、(根)抵当権を抹消する前に、ひとつ注意が必要になることを
お忘れなく。


※大阪市内にお住まいで同じ区の中で転居している場合、前住所が載っていない場合があります。その場合は住民票の除票で確認してください。

一期一会

週に一回、法務局で登記手続きの相談を受けている。

実にたくさんの人が相談にやって来る。

自分で登記の申請ができるように必要な書類のチェックや
申請書の書き方などをご案内している。

司法書士の立場としては微妙だが、人の役に立っているという意味では
とてもやりがいを感じている。

何がわからないのか、何に手間取っているのか、
そこに至るまでの背景など相談者の思いを知ることができるのは
とても興味深いし、学ぶことが多い。

なかでも「相続登記を司法書士に頼んだら
30万ぐらいかかると銀行に言われた」には唖然とした。

「いえいえもうこれだけ書類が揃っているのでそこまでは・・・」と釈明。

司法書士に頼んだら高い!というレッテルをなんとかしたい。

もっと身近に感じてもらいたいと思い、ブログを始めます。

御存知かもしれませんが、来年から相続登記が義務化されます。

このブログを通じて、新しい制度について理解を深めたり、
少しほっこりする時間を過ごしていただけたら、とてもうれしいです。